アーカイブ委員会 委員長 中村吉則(20期)
まずは、2018年(平成30年)3月25日、アーカイブルームの内覧会と、記念講演会を盛会のうちに終了いたしましたことをご報告申し上げます。
アーカイブルームは、上野丘高校の歴史資料室としての役割を果たすべく開設されたものでありますが、上野丘高校にふさわしい立派な資料館が完成いたしました。
開設にあたりましては、寄付をいただいた同窓生の皆様、高校の先生方、工事関係者、すべての皆様方に感謝申し上げます。そして何より、上尾会長はじめとする役員・執行部の皆様方の迅速で賢明な判断とご決断に敬意を表します。
アーカイブルーム開設の目的は、(1)上野丘高校の歴史保存・研究、(2)同窓生が気軽に立ち寄ることのできるスポットに、(3)在校生へのインパクト、(4)外部来校者への学校紹介等の役割を担うことであります。そして命題は、資料保存のデジタル化。
内覧会におきましては、同窓生ボランティアの皆様方のおかげで、歴史資料の整理が一段落し、初回の展示を行うことができました。
今後の課題については、アーカイブ委員会において、様々なアイデアが協議されており、名実ともに価値あるアーカイブルームに進化していくことが期待されます。
すでに、アーカイブルームの予約受付も始まり、順調なスタートをしています。各期幹事の皆様方は、早い時期にご一見のほどお勧め申し上げます。
同窓生の皆様方が作り上げた、価値ある歴史資料室。アーカイブ委員会は大切に有意義に活用していくことを誓います。
今後とも皆様方のますますのご指導ご鞭撻のほどを、お願い申し上げます。
アーカイブ委員会 副委員長 森本卓哉(39期)
平成27年(2015年)の創立130周年記念事業での同窓会アーカイブ委員会による整理で、管理棟3階にある同窓会資料室には、高校の前身である大分中学や高等女学校などの関連資料が約300点、戦後の昭和23年に開校した上野丘高校関連の資料が約300点あることがわかりました。そのほとんどは文書類で、今回の展示にあたっては、130年の校史で重要な文書を厳選しながら、在校生や同窓生が見てわかりやすい写真や図を入れるように心がけました。たとえば戦前の学校や周辺の絵葉書、卒業写真帖、創立記念集にある写真も展示して、母校の歴史や伝統の「可視化(見える化)」を目指しました。
具体的な作業は、記念館の入り口やアーカイブルームに掲示するA1サイズのポスターパネルの製作から始めました(「年表総覧(学校系統図)」、「アーカイブ委員会2018による同窓生紹介」、「大分県立大分中学校(3枚)」「大分県立第一高等女学校」、「大分県立第二高等女学校」「碩南中学・大分上野丘高校定時制」、「大分上野丘高校(4枚)」)。最初の年表総覧(学校系統図)は、創立130周年記念事業でアーカイブ資料リストの作成と電子化を行った齊藤英代委員が作成しました。「同窓生紹介」パネルは約5万人の同窓生(前身校 15,423名、高校 34,037名)で物故者の中から、各界で活躍された代表的な20名の先輩を選びました(牧彦七さん・吉丸一昌さん・久留島武彦さん・鳥潟隆三さん・後藤文夫さん・江口章子さん・福田平八郎さん・一万田尚登さん・上田保さん・佐藤イクヨさん・日野俊子さん・西村英一さん・後藤寿夫(林房雄)さん・立木勝さん・友永丈市さん・高山辰雄さん・平松守彦さん・寺司勝次郎さん・赤瀬川隼彦(隼)さん、辛島文雄さん)。このとき上尾同窓会長の発案で前身校の枠を超えて生年順に配置したことで、前身校からの大河のような流れが一目で感じられるパネルになりました。大分中学から上野丘高校までの学校史のパネルは、創立130周年記念事業で管副会長が作成されたものを元にして、中村アーカイブ委員長の「人物に焦点を当てた展示」方針に従って、初代校長村上田長先生、ウェンライト先生をはじめとするキーパーソンや、生徒の写真をできるだけ多く入れました。
資料展示は、アーカイブルーム内に前身校(大分中学・第一高女・第二高女・碩南中学・上野丘高校定時制)に関する資料を、これも各校の枠を超えて時系列順に展示しました。大分中学が荷揚町(現在の大手町の大分県庁新庁舎の敷地)に開校した時代の成績表や身体検査記録、寄宿舎生活の注意や時間割が書かれた資料をはじめ、高等女学校の卒業証書や通学定期、学生が郷土史や方言を調べて発行した書籍、教科書、ノート、地図などが当時の絵葉書や写真とともに展示されています。特に、515事件後の動向に注意喚起を行った丸秘文書、空襲に対する大分県の灯火管制チラシ、昭和20年4月21日の空襲で遭難した戦没学徒慰霊記録や、終戦後のマッカーサー司令文書などは日本にとっても貴重な歴史資料だと思います。戦後の大分上野丘高校のショーケースとパネルは、記念館入口から真っすぐ見えるアーカイブルームの外に展示しています。大分第一高校時代の同窓会誌や文芸部誌などの資料から、高校の御協力を頂いて優秀な成績を収めた部(野球部、ラグビー部、囲碁部、放送部、化学部、家庭部)の賞状や盾をはじめとする展示ができました。これまで記念館にあった高山辰雄さん(大中42期)の絵画と寺司勝次郎さん(大中57期)の版画や、旧本館の模型もアーカイブルームに収納されました。さらに本校卒業生 夜宵草さんの作品で、百万部を超えるベストセラーになった「ReLIFE(リライフ)」の資料も、本校が同作品の美術協力を行っていることから展示しております。(※上高と碩友会の展示は柴田誠二委員が担当しました。同窓会事務局の大塚政子さんには学校との諸連絡をはじめ、アーカイブルーム設置まで終始御尽力を頂きました。)
以上より明治時代の写真や成績表から、本校をモデルとする現代作品まで、133年の歴史と伝統の流れが一望できる構成になったと思います。記念館整備に対してご寄付を頂いた同窓生をはじめ、アーカイブ活動にご協力を頂いたすべての方々に衷心より御礼申し上げます。ありがとうございました。